君と夢に跳ぶ恋
学校に着くと、

「ねぇ日下部さん、ちょっといい?」

そう話しかけて来たのは昨日のグループの内の一人である池田くん。

「えっと・・・。」

「伝えたいことがあるんだ。ちょっと来て欲しい。」

どうしよう。ついていくべき?

「わ、わかった。」

池田くんについていくと、非常階段の近くに着いた。

「えっと、日下部茉璃亜さん!好きです!付き合ってください!」

そう言って頭を下げる池田くん。

池田くんの真っ赤に染められた髪はクラスでも結構目立つ。

いつもふざけておどけている池田くんが、こんな真面目な告白をしてくるとは思わなかった。

「えっと・・・」

返事に困る。

私はこれが賭けだと知っている。

「ご、ごめんなさい。」

「そっか。呼び出しちゃってごめんね。」

丁寧に謝られて、うろたえてしまう。
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