君と夢に跳ぶ恋
「好きって言ってくれて嬉しかったよ。ありがとう。」

たとえ嘘でも。

それにしても、なんだか池田くん、教室にいる時と雰囲気違うな。

教室に戻ると、さっそく池田くんは仲間に取り囲まれていて。

「なぁ、どうだった?」

「ダメだった〜」

そう言って舌をだしておどけて見せる池田くん。

いつもの池田くんだ。

「なんて言って告白したん?」

「え〜、普通に好きです付き合ってくださいって。」

「なにそれつまんなーい!そこは壁ドンして、『ねぇ、俺と付き合わない?』って言うとこでしょーが!」

そしてみんな一斉にギャハハと笑う。

「まぁ、賭けは俺の勝ちだな!」

「はぁ、絶対行けると思ったのにー!」

声が大きいせいで全部丸聞こえ。
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