君と夢に跳ぶ恋
「ママ悲しいな〜、茉璃ちゃんに嘘つかれちゃって。」

わざとらしい言い方。

・・・きっと悲しいなんて思ってない。きっとお母さんは嘘をつかれて悲しいわけじゃなくて、私が逆らったから怒ってるんだ。

「それで〜?何してたの〜?」

お母さんは椅子の上で足を組んでこちらを見下ろしている。

・・・何でそんな楽しそうなの?

「ちょっと、友達と話してて・・・。」

今はこれが精一杯。

ちらっと春樹くんの顔が思い浮かぶ。

「え〜?茉璃ちゃんお友達いたの〜?」

「ま、まあ・・・。」

思わず目が泳いでしまう。

「なんで教えてくれなかったの〜?」

「・・・。」

・・・言えるわけないよ。

「教えてくれたら挨拶しに行ったのに〜!」

そう言う声にはやっぱり何の感情もこもってない。
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