君と夢に跳ぶ恋
「・・・。」

いつもは『はい。』って言う言葉が自然に出てくるけど、今日はなぜか出てこない。

「ねえ茉璃ちゃん、返事は?」

またもや私の肩に手を置き半ば強引にそう言うお母さん。

「ねえ・・・お母さんは茉璃ちゃんにとっても優しくしてあげてるでしょ?」

「・・・。」

この人の優しさは本物じゃない。

「ほら、ママがまだ優しいうちに、ね?」

お母さんの手に力がこもる。

・・・怖い。

・・・本気の目だ。

この人は私を思い通りにするまできっと譲らない。
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