君と夢に跳ぶ恋
「・・・うん。わかった。」

「やっとわかってくれて嬉しいわ〜さすが私の可愛い茉璃ちゃん。」

そして私は、その糸から逃れられないでいる。

「さぁ、もうすぐ塾のお時間よ。お着替えしましょ」

お母さんはまるで人形を可愛いがるかのように私に接する。

まるで私に自我などないかのように。

もし私がこの人に、私はあなたが望むような人生とは正反対な夢があると言ったらどうなるんだろう。

その優しい仮面を捨ててわめいたり怒ったりする?
それとも甘い笑顔のまま?

「ねぇ茉璃ちゃん、よーく覚えておいてね。全部茉璃ちゃんの為だってこと。」

そう言ってお母さんは私の絵を・・・
ビリビリに破いた。

「・・・っ!」

目の前を紙屑が舞っていく。

「あらぁ〜どうしたの茉璃ちゃん?こんな物茉璃ちゃんの人生には必要ないわ。茉璃ちゃんだってこんなものいらないでしょう?」

ひどい。「こんなもの」だなんて。

こみあげる涙をなんとか拭う。

「いい子だから、ママの言う通りにしてね。」

お母さんが少し威圧的に言う。

「それじゃあ塾に行く支度してね〜」

お母さんは笑顔に戻っていた。

「・・・うん。」

「ああそうそう、」

部屋を出ていきかけたお母さんが振り返る。






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