女風に行ったら、モテ期がきた

二度目の侵入

翌日、念のため防犯カメラのメモリを確認しに行こうと言われ、高城君と自宅へ向かった。

住み慣れたはずの家なのに、玄関を開ける度に緊張が走る。何度この緊張を繰り返せば、元に戻れるのだろうかと、憂鬱な気分になった。

先週念入りに掃除したというのに、人の出入りがないせいか空気が悪い。リビングに風を入れるため窓を開けた。

「え?何これ、、」

隣の寝室から、高城君の声がした。

恐る恐る寝室をのぞく。高城君の肩越しに割られた窓が目に入る。それ以外は、マットレスだけになったベッドとドレッサーが置いてあるだけ。

ただ、ドレッサーの引き出しは全て開いていて、クローゼットも開け放たれた状態。チェストの引き出しも全部開けられていた。

「とりあえず、警察に連絡しよう」

高城君が通報し、すぐに警察が駆けつける。

前回同様、鑑識っぽい人が証拠を採取していき、今回はマットレスから体液が見つかったらしい。意味がわからな過ぎて、気持ち悪い。

「あー写ってますね。この映像、詳しく解析したいので、メモリを回収させてもらいますね」

「あの、、知り合いかどうか確認したいので、見せてもらえますか?」

「もちろんお願いします。もし顔見知りの犯行なら、すぐ身柄確保に向かいますので」

写し出された映像は、赤外線撮影によるものらしくモノクロだった。ベランダの柵を越えて侵入した犯人が、窓の前にかがんで何かしている。そして、私の部屋に入って行った。

リプレイして、犯人の顔が見えたところで一時停止してもらう。はっきりとはわからないけど、多分知らない人だった。

「断定はできませんが、知り合いではないと思います」

「そうですか、、ではこの映像を元に捜査を進めます」

犯人は土足のまま侵入していて、リビングには入っていないらしく、寝室以外は足跡が残っていなかった。

前回、指紋やその他の証拠も寝室以外では見つからなかったので、今回もその可能性が高いだろうと言われた。

「捜査に進展があったらご連絡しますので」

そう言って、警察が帰って行った。

窓の修理、どうしよう。またすぐに壊されるなら、直しても無駄かも、、

「明日、また一緒に掃除しましょう。とりあえず今は、何か美味しいものでも食べに行きませんか?」

ああ、高城君がそばにいてくれて良かった。
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