女風に行ったら、モテ期がきた

はじめての女風

家に戻った私は、さっき杏子にすすめられた安心安全なサイトを見ていた。

「へー、セラピスト?ってみんな見ためがいいな。合成か?ほー、価格設定もそんなに高くない。高級アロママッサージくらい?」

スマホ相手にまた独り言を呟く自分にうんざりしながら、再び画面に目を戻す。

普通のマッサージやエステも気持ちいいと思うが、それとはまた違うのだろうか。経験がないから、想像のしようもない。

うーーーーーん。

考えるのが面倒だ。一度経験してみれば済むことじゃないか。

こんなことでもなければ、私はその手の喜びを知らぬまま生涯を終えるのだろう。別にそれでも良かったが、知る機会があるなら知るのもありだ。

もし何か嫌な思いをしたら、高級アロママッサージに行って、記憶を塗り替えよう。

何人かのプロフィールを確認してみる。普通にマッサージがうまいとクチコミで評価されてるセラピストがいて、予約もほどよく埋まってる。よし、彼にしよう。1ヶ月後に空きがあったので、予約を確定する。

うっかり忘れてしまいそうなので、スマホのスケジュール帳に予定を入れておいた。

そうだ、無駄毛の処理をしよう。そんなことを考えながら、その日私は眠りについた。

翌日、仕事を終えてスマホを確認すると、予約したセラピストの雅紀(まさき)から、お礼のDMが届いていた。

『ご予約ありがとうございます。お会いできるのを楽しみにしています』

簡単なメッセージではあるが、これはお返事した方がいいのか?

『メッセージありがとうございます。よろしくお願いします』

返事を送ったあと会社を出て、夕飯の買い物をして、家に帰る。

簡単に夕飯を済ませ、入浴し、ベッドで横になりドラマでも見ようとスマホを手に取ると、またDMが届いていた。

『お疲れ様です。今日はお仕事でしたか?僕も仕事でヘトヘトです。お腹減ったー。ミキさんは夕飯何を食べるのかなー?』

まじか、、私にこれをどうしろと?

『私は普通の会社員なので月~金で仕事をしています。夕飯はほうれん草とベーコンの和風パスタを作って食べました』

なんだこれ、どっと疲れるな。なんて思っていたら、スマホに通知が、、もちろん雅紀だ。

『僕も日中は会社員をしてるんですよー。それに僕も和風パスタ大好きです。ミキさんと共通点があって良かった。たまにこうしてお話しできたら嬉しいです』

嘘だろ?1ヶ月もこんなやり取り続けるの?口から魂を出しながら私が送った返信は『了解です』だった。
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