極悪人の抱き枕になりました。

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翌日の朝、朝食の支度をしながたテレビニュースを見ていると昨日の晩にヤクザの銃撃戦があったことを伝えていた。
そのニュースを聞いた途端、夏波はフライ返しを床に落としてしまった。

目玉焼きを焼いているのをそのままにしてテレビに駆け寄る。
深刻な表情をした男性ニュースキャスターが、ヤクザの事務所をの前でレポートしている。


《こちらは○○組の事務所です。昨晩この建物の中で銃撃戦が行われ、死傷者が出ました》


死傷者という単語に背中がゾクリと寒くなる。
伊吹が血を出して帰ってきた日のことを思い出す。

もしかして伊吹もこの銃撃戦に巻き込まれたんじゃないか？
そんな不安が広がっていく。


「夏波、卵が焦げてる」


起き出してきた新がキッチンから焦げ臭さを感じて注意しても、夏波は気が付かなかった。
テレビに映る映像に少しでも見覚えがないか、真剣に見つめていた。


「夏波？」