婚約とは安寧では無いと気付いた令嬢は、森の奥で幸せを見つける

第1話

 とりあえず気付いた事が一つある、私はぶたれたらしい。 

「サラタ・ラタサ! 貴様ァッ! どこまでも目障りにルーインの前をうろつく、煩わしい魔女めが!」

 私の視点では当然見えないが、この頬は赤く腫れあがっているだろう。
 顔についた猿の尻。そう思えばまだ笑えるのだろうか。
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