アイドル様の夏フェス!!
ードキンっ!
SOMAが急に近づいて私のことを抱きしめる。SOMAの腕の中は暖かくて心地よくて。夏の暑さなんて忘れるくらい、ドキドキした。
周りにもスタッフがたくさんいるのにそんなこともお構い無しで。私はその場で固まってしまった。
ふ、振りじゃなくて本気で行くってどういうこと……!?
まさか……あれ、本気でやるって意味じゃないよね!?
「SOMAさん、AINaさん!スタンバイお願いします!」
「は、はい!」
そっと体が離れるとすぐにスタッフに名前を呼ばれた。変な声を出してしまったけど、SOMAはいつも通りのステージに上がる前の表情だった。
こんなに意識してるのは私だけ?
ソワソワと落ち着かないまま、私とSOMAはステージのバックヤードにスタンバイする。ファンにこんな顔を見せられないよ。
とにかく、今はライブに集中しよう……!
深呼吸を何度も繰り返し、息を整えていると、
「さぁ、それでは登場して頂きましょう!今男女共に超絶人気アイドルユニット【HIMAWARI】のお2人です!」