演歌界のイケオジ『神月京介』の恋心
 吹雪の日はいつも怖かった。

 だけどそのお陰できょうくんと一緒にいられて。その時は雪に感謝していた。

 降っても降らなくても今はもう関係なく彼と一緒にいられる。

 吹雪でペンションに閉じ込められた日。
 あの日がなければ私たちは一緒になれなかったかもしれない。

 好きな気持ちをぶつけられずに、恋心を永遠に沈めたままで。
 今こうして一緒にいられるのは奇跡だ。




 彼と散歩をしている時、思い切り手を伸ばせば届きそうな距離に雲があるように見えた。
 

 
< 20 / 21 >

この作品をシェア

pagetop