演歌界のイケオジ『神月京介』の恋心
彼は近所に住んでいた。私が生まれた時からそばにいて、物心ついた時からずっと憧れていて。小さい時は近くにいると安心して、ある時から顔を見るだけでドキドキしてきて……。周りに合わせるのが得意じゃなかったせいで悪女とか呼ばれて傷ついてどうしようもなかった時も、唯一彼は私に寄り添ってくれて。
彼に対しては悪い思い出はひとつもない。
ただ、私が高校二年生の時に街から彼がいなくなってしまった時は、毎日寂しくて泣いていた。
元は地元に住みながら活動していたけれど、イケメンで歌が上手すぎる演歌歌手として話題になり、仕事も増えた為、上京した。そして今は、業界ではまだ若いながら『演歌界の柱石』として演歌界を支える役割を担い、沢山受賞もして大活躍している。
彼が出ている番組や雑誌ニュースは、ずっとチェックしていた。手の届かない場所に行ってしまった彼を、恋心を封印してファンとして応援していた。
なんでここで再会してしまったんだろう。
封印して腹の底に沈めたはずの恋心が疼いて、外に出ようとしてくる。
私はそれを必死に外に出ないようにぐっと押し続ける。
だけど反発してきて、それが外に出てきた。動悸がして少し息苦しい。
「きょう、くん」
「ゆらちゃん、大丈夫?」
彼は昔もそうだった。私の少しの変化も見逃さずにキャッチして、今もこうして心配してくれている。
私の名前を呼ばないで。
呼ばれただけで懐かしさも溢れてきて。
なんか、泣きそう。
脆い自分が水面上に浮かび上がる感じ。
私はここに閉じ込められている間、この気持ちを隠し切れるだろうか。
彼に対しては悪い思い出はひとつもない。
ただ、私が高校二年生の時に街から彼がいなくなってしまった時は、毎日寂しくて泣いていた。
元は地元に住みながら活動していたけれど、イケメンで歌が上手すぎる演歌歌手として話題になり、仕事も増えた為、上京した。そして今は、業界ではまだ若いながら『演歌界の柱石』として演歌界を支える役割を担い、沢山受賞もして大活躍している。
彼が出ている番組や雑誌ニュースは、ずっとチェックしていた。手の届かない場所に行ってしまった彼を、恋心を封印してファンとして応援していた。
なんでここで再会してしまったんだろう。
封印して腹の底に沈めたはずの恋心が疼いて、外に出ようとしてくる。
私はそれを必死に外に出ないようにぐっと押し続ける。
だけど反発してきて、それが外に出てきた。動悸がして少し息苦しい。
「きょう、くん」
「ゆらちゃん、大丈夫?」
彼は昔もそうだった。私の少しの変化も見逃さずにキャッチして、今もこうして心配してくれている。
私の名前を呼ばないで。
呼ばれただけで懐かしさも溢れてきて。
なんか、泣きそう。
脆い自分が水面上に浮かび上がる感じ。
私はここに閉じ込められている間、この気持ちを隠し切れるだろうか。