君は私のことをよくわかっているね
5.変わる朝、変わる二人
目を開けて、ゆっくりと身を起こし、辺りを見回す。
光の差し込む私室、いつもとなんら変わらない朝がそこにはあった。
(やっぱり、夢だったのかしら)
きっとそうに違いない。だって、あまりにもわたくしに都合がいい、幸せな夢だったんだもの。
わたくしが初代皇帝の生母の生まれ変わりだなんて――自分にそんなだいそれた前世があるなんて、生まれてこの方感じたことはない。
それに、あんなに美しい人が――天龍様がわたくしを愛してくれるだなんて――本気で夢を見すぎだ。
ため息をつき、寝台から降りる。すると、わたくし付きの侍女たちがすぐにやってきた。
「おはようございます、桜華様」
顔を洗い、段々と意識が覚醒してくる。
こうして侍女がついていようと、わたくしはただの後宮の管理人。妃に選ばれた女性たちとは違い、本当の意味で龍晴様の愛情を知ることはない。もしも後宮を出ることを許されなかったら――――一生、知ることはないのだろう。
光の差し込む私室、いつもとなんら変わらない朝がそこにはあった。
(やっぱり、夢だったのかしら)
きっとそうに違いない。だって、あまりにもわたくしに都合がいい、幸せな夢だったんだもの。
わたくしが初代皇帝の生母の生まれ変わりだなんて――自分にそんなだいそれた前世があるなんて、生まれてこの方感じたことはない。
それに、あんなに美しい人が――天龍様がわたくしを愛してくれるだなんて――本気で夢を見すぎだ。
ため息をつき、寝台から降りる。すると、わたくし付きの侍女たちがすぐにやってきた。
「おはようございます、桜華様」
顔を洗い、段々と意識が覚醒してくる。
こうして侍女がついていようと、わたくしはただの後宮の管理人。妃に選ばれた女性たちとは違い、本当の意味で龍晴様の愛情を知ることはない。もしも後宮を出ることを許されなかったら――――一生、知ることはないのだろう。