君は私のことをよくわかっているね
***



 後宮の中央に建てられた東屋のなかに、魅音様をはじめとした数人の妃たちが集まっている。上級妃に中級妃、下級妃も一人混じっている。本来なら、ありえない組み合わせだ。


(招待状、魅音様以外には出していないんだけどな……)


 女の情報網というのは怖い。元々魅音様の傘下にあった妃に加え、わたくしに不満を持つものたちが徒党を組み、こうして集まってしまったらしい。

 一人で言えないなら複数で。本当に、女性というのは怖い生き物だ。


「本日はお集まりいただき、ありがとうございます」


 内心でため息をつきつつ、わたくしはニコリと微笑みかける。彼女たちはこちらに向かって微笑み返してくれたけれど、その視線はとても鋭く冷たかった。


「たかが後宮の管理人が、こんなにも大規模なお茶会を開くなんて……妃でも気取っているのかしら?」


 第一ブロー。魅音様がため息混じりに口にする。
 わたくしは「まぁ!」とわざとらしく声を上げた。


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