君は私のことをよくわかっているね
9.いいのかな?
後宮の住人たちが寝静まった頃、わたくしは昨夜と同じように、己の宮殿を抜け出した。
恐ろしいほどの静寂、澄んだ空気。今夜も星々は美しく流れ続けている。星たちが集まる先には美しい一人の男性――天龍様が佇んでいた。
「桜華」
わたくしを見つけるなり、彼は嬉しそうに微笑んだ。たったそれだけのことだけれど、胸がざわめく。わたくしは駆け足で天龍様の元へ向かった。
「申し訳ございません、天龍様。まさかお待たせしてしまうとは……」
「いいんだ。待ちきれなくて、私が早く来てしまっただけなのだから」
天龍様がわたくしの頬をそっと撫でる。わたくしは思わずギュッと目をつぶった。
「私とのこと、考えてくれた?」
「はい。けれど……まだ答えが出せていないのです」
わたくしにはまだ、わたくしが神華様の生まれ変わりだなんて信じられない。あるいはそれが本当でも、わたくしは神華様と違って、本当にただの人間だ。一緒にいるうちに『この女性じゃない』と――違う、嫌いだと思われてしまったら、きっとものすごく悲しい。立ち直れない。
恐ろしいほどの静寂、澄んだ空気。今夜も星々は美しく流れ続けている。星たちが集まる先には美しい一人の男性――天龍様が佇んでいた。
「桜華」
わたくしを見つけるなり、彼は嬉しそうに微笑んだ。たったそれだけのことだけれど、胸がざわめく。わたくしは駆け足で天龍様の元へ向かった。
「申し訳ございません、天龍様。まさかお待たせしてしまうとは……」
「いいんだ。待ちきれなくて、私が早く来てしまっただけなのだから」
天龍様がわたくしの頬をそっと撫でる。わたくしは思わずギュッと目をつぶった。
「私とのこと、考えてくれた?」
「はい。けれど……まだ答えが出せていないのです」
わたくしにはまだ、わたくしが神華様の生まれ変わりだなんて信じられない。あるいはそれが本当でも、わたくしは神華様と違って、本当にただの人間だ。一緒にいるうちに『この女性じゃない』と――違う、嫌いだと思われてしまったら、きっとものすごく悲しい。立ち直れない。