君は私のことをよくわかっているね
「桜華! 止まれ! 私の言葉が聞こえないのか?」
龍晴様が間近に迫っている。わたくしは振り返らないまま、首を大きく横に振った。
だけどその瞬間、ドスッという音とともに右肩に激痛が走る。次いで生温かい液体が服を濡らす。振り返れば、弓を構えている宦官の姿が目に入り、手を当ててみれば、ベッタリと赤い血が付着した。
「あ……あぁ……」
「桜華!」
龍晴様がわたくしに追いつく。肩から弓矢が引き抜かれる。ドクドクと血が流れる嫌な感触が肌を伝う。
呆然としているわたくしを龍晴様が抱きしめる。
言葉が、行動が、いろんなことがチグハグで、わたくしにはとても受け入れることができない。
「桜華、私の桜華。痛かっただろう? もう大丈夫だ。私は君を愛している。桜華もわかっているだろう? 戻ろう。戻って、私の側にいるんだ」
「龍晴様……」
傷口が、きしむほどに抱きしめられた身体が――なによりも心が痛い。
わたくしは首を横に振った。
龍晴様が間近に迫っている。わたくしは振り返らないまま、首を大きく横に振った。
だけどその瞬間、ドスッという音とともに右肩に激痛が走る。次いで生温かい液体が服を濡らす。振り返れば、弓を構えている宦官の姿が目に入り、手を当ててみれば、ベッタリと赤い血が付着した。
「あ……あぁ……」
「桜華!」
龍晴様がわたくしに追いつく。肩から弓矢が引き抜かれる。ドクドクと血が流れる嫌な感触が肌を伝う。
呆然としているわたくしを龍晴様が抱きしめる。
言葉が、行動が、いろんなことがチグハグで、わたくしにはとても受け入れることができない。
「桜華、私の桜華。痛かっただろう? もう大丈夫だ。私は君を愛している。桜華もわかっているだろう? 戻ろう。戻って、私の側にいるんだ」
「龍晴様……」
傷口が、きしむほどに抱きしめられた身体が――なによりも心が痛い。
わたくしは首を横に振った。