りんご飴より甘いこと
そんなわったんの目の前で。
私は、ホンモノのりんごよりも真っ赤。
「わわわわっ、わったん!
きっ、きすは、好きな人同士がするもの!」
なんて言って良いか?
なんて分からずに、そんな声を上げた私。
「うん。だから、これから好きにさせる
つか、本気でりんごのこと堕とすから」
わったんが問題を、
出して来た時と、同じ悪魔のような笑顔。
「〜〜っ、う、わったん、なんか変だし!」
「うん。普通だし。
ま、野望は叶えられたから............」
言葉の続きをわざとらしく、
耳元で、言ってきたわったん。
わったんは耳元で、
〝りんご飴より甘い恋させてやる〟って。
そう、──────甘く囁いた。
その囁きは、
〝りんご飴より甘い恋〟の始まり。
fin.