恋愛体質
「きちんと聞いてるか？」

　突然、荒川さんの声が耳に入って来た。ぼんやりしていた私は荒川さんの話を全く聞いていなかった。

　荒川さんがこちらの方に強い視線を向けていた。さりげなくキョロキョロと周りを見てみるとみんなメモを取ったりしながら真剣に聞いていた。

　私も慌ててメモとペンを持って荒川さんの話に集中した。

「とりあえず今話したスケジュールでやっていきます。今日はとにかく全員が新システムを使ってください。何か問題発生となれば随時検討して指示します。
　ほかに何かないですか？」

　荒川さんはぐるりと全員を見渡してから伊藤課長の方を見た。
　課長はないというように首を横に振った。

「では朝礼終わります。本日もがんばりましょう。」

　荒川さんが締めると

「よろしくお願いします。」

　とみんなが一斉に答えて長めの朝礼が終わった。
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