恋愛体質
鏡の前で右を向いたり左を向いたりしてチェックした。我ながらそれなりに上出来だ。

レイの爽やかさとフルーツの甘い香りをブレンドしたようなお気に入りの香水をほんの少しだけつけて出来上がり。

玄関でブーツを履こうとしていると母と姉が仕上がりのチェックにきた。

「うん。よし。」

姉が言った。

「いいじゃない。」

母も言う。

携帯が鳴った。

「うん。下ね。今行く。」

私は急いでブーツを履いてバッグを持った。

「いってらっしゃい。」

姉と母が口を揃えて言った。

「あんまり遅くならないようにね。今日はパパがいるから。」

「はいはい。」

私は急いで玄関の鍵を開けてエレベーターに向かった。
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