恋愛体質
「私、営業だって。」

 言ってみた。
 でも2人はドラマに夢中で私の話なんか聞いちゃいない。

「何?なんか言った?」

「なんでもない。寝ようかなって言ったの。おやすみ。」

「うん。おやすみ。」

「おやすみ。」

 私は歯磨きをして自分の部屋に入った。

 携帯のアラームをセットしようとしてナルシストのことを思い出した。

 いつも6時に起きて少し余裕を持ってコーヒーでも飲んでいこうと思いつつ起きられない。

 (まあ、いいか。)

 私はアラームを6時にセットしてベッドに潜り込んだ。電車の中で下手に寝てしまったから眠れないんじゃないかと思ったが横になったとたんに眠りに落ちた。

 そのまま携帯のバイブが何度も唸り出すまでぐっすりと眠った。
< 34 / 113 >

この作品をシェア

pagetop