恋愛体質
携帯が唸っている。ずっと。さっきから。
私は朝の目覚めは悪いほうではない。これは私の中の数少ないセールスポイントと言っていいと思う。
そんなことを寝ぼけながら考えていた。
ハッと気づいて時刻表示を見た。
6時15分!
(6時と言われていたのに!ヤバい!)
なんで私が昨日会ったばかりのナルシストを起こすために焦る必要があるのか、不条理だとは思いつつ、慌てて電話をかけた。
私は元々頼まれたことは断れないお人よしな部分があるのだ。布団の中で携帯で呼び出しながらつくづく納得いかないと考えていた。
「ごめんね。6時15分過ぎちゃった。」
やっと誰かにつながった気配がしたとたんに私は言った。
「ううん・・・わかった・・・」
声がフェードアウトしていく。
「じゃあね。ちゃんと頼まれた通りかけたからね。」
私が電話を切ろうとしたとたんにナルは覚醒したような声を出した。
「6時15分?」
「そう。」
「6時って言ったじゃん!」
「だから、ごめん。」
「いいよ、いいよ。6時25分にもう1度起こして。」
「やだよ。」
私が言い終わるか言い終わらないうちに電話は切れた。
私は朝の目覚めは悪いほうではない。これは私の中の数少ないセールスポイントと言っていいと思う。
そんなことを寝ぼけながら考えていた。
ハッと気づいて時刻表示を見た。
6時15分!
(6時と言われていたのに!ヤバい!)
なんで私が昨日会ったばかりのナルシストを起こすために焦る必要があるのか、不条理だとは思いつつ、慌てて電話をかけた。
私は元々頼まれたことは断れないお人よしな部分があるのだ。布団の中で携帯で呼び出しながらつくづく納得いかないと考えていた。
「ごめんね。6時15分過ぎちゃった。」
やっと誰かにつながった気配がしたとたんに私は言った。
「ううん・・・わかった・・・」
声がフェードアウトしていく。
「じゃあね。ちゃんと頼まれた通りかけたからね。」
私が電話を切ろうとしたとたんにナルは覚醒したような声を出した。
「6時15分?」
「そう。」
「6時って言ったじゃん!」
「だから、ごめん。」
「いいよ、いいよ。6時25分にもう1度起こして。」
「やだよ。」
私が言い終わるか言い終わらないうちに電話は切れた。