恋愛体質
「おはよう。ちょっと早くない?」

 先に洗面所を使っていた姉が言った。

「うん。ちょっとね。」

 姉とかぶってしまったので私はトイレに行ってからリビングに行った。

「おはよう。」

「おはよう。あら、いつもよりちょっと早くない?」

「ちょっとだけね。お姉ちゃん使ってるから先ご飯食べる。」

 コーヒーカップを取り出してインスタントコーヒーと砂糖とミルクを入れた。

「飲む?」

 私は一応父に聞いた。

「いや。パパはお茶飲んでるからいいよ。」

「私にもコーヒー入れといて。」

 姉が洗面所から大声で言った。
 始めからそのつもりだった。家を出るのが私の方が30分ほど遅いので、何でも「ついでに私の分も!」と頼まれるのだ。

 母は父と自分用にお弁当を詰めていた。

「ママにもお願い。」

「はいはい。」

 私はコーヒーカップをもう2つ出してコーヒーを入れた。
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