恋愛体質
 驚きの後に感動がやってきた。
 その人の背中に向かって頭を下げながらのど飴の包装紙を取って慌てて口に入れた。

 ありがたい人がいるものだ。
 明らかに車両中の顰蹙者、迷惑者に違いない私に対してしてくれた行為は善意以外の何物でもない。

 が、いざ行動に移すとなるとなかなか勇気がいるに違いなかった。

 決まりが悪いのか、今は私の視界から外れたところへ行ってしまってその姿は見えなくなってしまったが私とほぼ同年輩の男性だった。

 そして良く見ることはできなかったのに私のアンテナはキャッチした。

「ストライク!」

 私好みのイケメンだった。
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