恋愛体質
「足、大丈夫?」

 手配課での報告が終わってから佐藤さんに指示を仰ぎに行った。

「はい。大丈夫です。」

「とりあえずレポートを書くけど。ちょっと待ってて。教えるから。あっちは大丈夫?」

 佐藤さんは手配課の方向を指差した。

「はい。報告は済みましたので。」

「忘れないうちにね。」

 佐藤さんの指示をうけながらレポートを作成した。

「いろいろ順番に教えていくけど、今日はもういいから早く上がって靴買いに行きなよ。明日も歩くよ。」

 定時を過ぎていた。翌日以降のスケジュールを聞いた後で挨拶をして帰ってきた。

 絆創膏を貼ったので痛みは和らいだが明日も歩くとなると不安だった。

 デパートに入って靴売場でいくつも試し履きしてみた。

 いくら履き易い靴でも靴擦れの箇所に当たるのは履けない。

 さんざん迷ってやっとのことで靴擦れにあたらず、履き心地の良い靴を見つけることが出来た。

 靴は予定外の出費だったけれど仕方がない。たとえ少なくてもボーナスがあることに期待して思い切って買うことにした。
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