恋愛体質
 今の私には何かが足りない。いつもそうだ。恋愛にしてもいつもタイミングが悪いし。

 イケメンの年下の元彼にはいいようにあしらわれ・・・

 根本的な何かが抜け落ちているような感覚。何が足りないんだろう?

「あっ。」

 小さく声に出したので周りにいた人がジロリと私を見た。

 (バッグがない!)

 私は慌ててエスカレーターに駆け戻った。

 (試着室かも)

 私は服を買ったショップへ急いで戻った。

「すいません。あのバッグなかったでしょうか?」

「やっぱりお客様でしたか。」

 ショップの店員は笑顔で言った。

「お探ししたんですがいらっしゃらなかったもので、たった今店内放送をかけて拾得物の係へ持っていったところです。」

 そのそばから私を呼ぶ店内放送が聞こえてきた。

「よかった。」

 店員がにこやかに言った。

「すみません。お騒がせして…」

 私は赤面しながら言った。

 店員に拾得物係の場所を聞いてそこへ向かった。

 無事、バッグを引き取り買物した荷物を確かめてから外に出た。街は至るところイルミネーションが宝石のように輝いている。
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