恋愛体質
「いただきます。」

食事が目の前に出てくるまで疲れ過ぎて空腹感を感じなかったけれど、おかずを目にしたらすごくお腹が空いていたことに気づいた。

がつがつと並んだおかずを食べて一息つくと眠くなってきた。

「ごちそうさまでした。」

食器を下げて洗った。母はリビングでテレビを見ながら洗濯物を畳んでいた。

「お風呂入ってくる。」

私は帰りに薬局で買ってきた入浴剤を持ってバスルームに向かった。

足がぱんぱんで痛かった。
甘い香りの入浴剤を入れてゆっくり湯に浸かった。

そのままうとうとしてしまったらしい。しばらくして目が覚めた。このままではバスタブで本格的に寝そうな気がしたのでバスタブから上がった。

(ヤバい、太ったかも。)

お腹の辺りが気になった。
年下の彼と別れてから気が緩んだ。

付き合っている間は体型、ファッション、ヘアスタイル、ネイルなど全てに磨きをかけなきゃと必死だった。

だからその反動もあって別れた途端に気が抜けた。

(ダイエットしなきゃ。)

そう思いつつ、風呂上がりにアイスを冷凍庫から出して食べてしまった。

「服、見せてよ。着てみて。」

母が言った。

「見るだけにして。着るのはめんどくさい。」

私は部屋から買った服と靴を持ってきて見せた。
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