恋愛体質
鶴田さんはカウンターから出て来て店頭の販促物のところで言った。

「こんな1番いい場所キープしてるんだからさ。しっかりしてくださいよ。」

「ありがとうございます。」

佐藤さんがそう言ったところで新しい客が入ってきた。

「いらっしゃいませ。」

鶴田さんが真っ先に愛想のよい声で迎え他の店員も続いた。

「じゃあ僕等はパンフレットのチェックして失礼します。」

「お願いします。」

言いながら鶴田さんはカウンターに戻っていった。

佐藤さんは店頭のパンフレットを補充して販促ツールを一通り点検してから自分の荷物を持った。

「失礼しました。」

接客の邪魔にならないトーンで退出の挨拶をした。私もそれに倣って佐藤さんに続き退出した。
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