恋愛体質
一通り挨拶を済ませてから缶ビールを飲みつつ奈津美を探した。

このまま残っていれば職場の人達と飲みに行くか、解散したあとで支店長室かどこかに場所を移してまた宴会という流れになるだろう。

｢奈津美は帰んないの？｣

私は奈津美を見つけて聞いた。

｢優希は？｣

逆に奈津美に質問された。

｢私は別に残っても帰ってもどっちでもいいんだけどね。とりあえずもうちょっと食べようかと･･･｣

料理を見回しながら言った。
奈津美もつられて一緒に料理を取ってきてまた食べた。

｢絵理はさっき帰ったね。｣

奈津美が言った。

｢デートじゃん？この前の何くんだっけ？彼と付き合ってるんでしょ？｣

私は奈津美に言った。絵理が小山内くんという同期と付き合うことになったというのは私も奈津美も絵理本人から聞いた。

｢絵理だけじゃないんじゃないの？｣

｢え？｣

｢優希だってイケメン君と付き合ってんじゃないの？｣

奈津美はからかうように笑いながら言った。

｢違うよ。そんなんじゃない。家が近いからたまたま一緒に来てるだけだよ。｣

私は言い訳するみたいに言った。なんで言い訳する必要があるのだろう？
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