いつも側にいてくれたね
そろそろ出発の時間が近付いてきた。
俺と夏芽はここで直生と別れなければならない。
「じゃ、気を付けて行ってきてね。お土産楽しみにしてるよ」
直生が手を振りながら俺たちを見送る。
なんとなく淋しそうな直生の顔が気になり、俺は3人でハグして別れよう。
そう提案した。
「いいよ、そんなことしなくても。なんか恥ずかしいだろ」
直生は照れてそんなことを言いながら、夏芽に握手を求めた。
夏芽はそれに応え、直生の手を握り、
「直生、すぐに帰ってくるからね」
「うん、夏芽も病気しないようにね」
直生は俺にも握手をしようと手を伸ばしてきたけど、俺は直生の手を握ると俺の体の方へ直生を引っ張り、直生とハグをした。
ビリビリビリッ
直生とハグをした瞬間、俺の体に電気が走り、幼い頃の記憶がよみがえった。