いつも側にいてくれたね
「遥生、どうしたの? 直生って?」
あれ?
俺、何言ってるんだ?
「え? 直生って?」
俺は夏芽からの質問をそっくりそのまま夏芽に質問した。
何か大事なことが頭からすっぽりと抜けたような気がする。
何だったかな。
「遥生、早く行かないと飛行機に乗り遅れちゃうよ」
夏芽に急かされて、俺たちはカナダへの飛行機に乗り込んだ。
俺たちが立ち止まっていた場所には、小さなクロスの付いたブレスレットが落ちていた。