いつも側にいてくれたね
「それで、どうしたの、直生。何か話があったんじゃないの?」
「あっ、そうだった。あのさ、来週から中間テストだよね。僕も夏芽もテニスばっかりで勉強できていないでしょ。だから遥生に勉強教えてもらわない?」
「遥生に? 遥生だって忙しいんじゃないの? 私、遥生が忙しいから全然会えていないんだよ。遥生だって部活大変なんじゃないの?」
「それがさ、遥生は部活しないって決めたんだって。びっくりでしょ、あんなにテニスが大好きだったのにね」
「そうなの。遥生どうしたんだろう。有名な進学校に入ったから勉強が大変なのかな」
「んー、そうじゃないみたいなんだけどさ」
「もしかして、遥生に彼女ができたとか? デートで忙しいの?」
「あははっ、遥生に彼女ができると思う? 遥生に彼女ができるんなら僕の方が先に彼女いるよ」
「だって直生は自分から告白を断ってるでしょ。告白されたのを受け入れたら直生は今頃彼女いるんだよ」
「ま。僕のことはいいからさ。遥生と勉強しようよ、夏芽」
「うん、お願いしたいかも。それに遥生ともたくさんお喋りしたいし」
「よし、決まりね。明日からテスト前で部活ないから、夕飯食べたら家においでよ。その時間なら遥生も帰って来ているしね」
私は部活が忙しくて、遥生とは全然会えていなかったの。
遥生の学校の話も聞きたいし、見られるなら遥生の制服姿も見たいな。
明日は夕飯食べたら早めに湯川家に行こう。
勉強よりも遥生に会える嬉しさの方しかもう頭には無かった。