いつも側にいてくれたね
自分を選んでもらえなかったことが悔しかったんだ。
夏芽の伸ばした手をギュッと掴んで自分の方に引っ張った。
思い切り夏芽の手を引っ張ったものだから、夏芽はバランスを崩して並んで立っていた2人に体当たりする格好になった。
「「危ないっ!!」」
「わぁ、ごめーーん」
夏芽が謝ったのと同時にドスッと2人の体を夏芽が押した。
ぶつかった瞬間、3人の体は崖の下に落下したんだ。
『わぁぁぁぁっ』
『うわぁぁぁっ』
『きゃぁぁぁぁ』
崖から落ちている時、夏芽を守らなきゃって。
自分の体が下になれば夏芽は痛くないかなって。
そんなことを考えて夏芽を抱えて崖の下まで転がり落ちたんだ。