いつも側にいてくれたね

「遥生がね、もしその好きな人とお付き合いすることになったら夏芽は応援できる？」

そんなこと考えられないよ。

遥生が他の誰かとお付き合いしたら、私はもう遥生のそばにいられなくなってしまう。

「そう、だよね。遥生を応援しなきゃだよね」

私は気持ちとは正反対のことを口に出していた。

「僕が今話したことは絶対に遥生には内緒にしておいてくれるかな。バレたらまた喧嘩になってしまうしね」

「う、うん。そうだね。絶対に言わない」

直生と遥生が喧嘩したのは遥生の好きな人についてだったの？

それは直生を悩ませることだった？

「直生が悩んでいたのはこのことだったの？」

「そうだね。何でも話し合っていると思っていたのに、いつの間にか遥生の心が僕の全然知らないところにあったからね」

「直生も遥生から聞いたときはショックだったの？」

「そっか、夏芽は少なからずショックを受けたんだね。僕はショックではなかったよ。ただ夏芽の気持ちを考えると、ね」

私だけが動揺したの？

嫌だと思った。

遥生が私の知らない遥生になって遠くへ行ってしまうような気がして。

ずっとずっと一緒にいられると思ってた。

これは私のわがままなの？