いつも側にいてくれたね


「それで夏芽は大丈夫?」

直生は田所さんが納得してくれたのを見ると今度は私の心配をしてくれた。

「うん、私は平気だよ」

「そう。でも何かあったらすぐ僕に言って」

「ありがとう。あのさ、直生。噂が消えるまで登下校は別々にした方がいいかな」

私はいつも仲良く並んで歩いているのも噂になる原因の一つだと思ってそんな提案を直生に耳打ちした。

「そっ、それはダメ。僕たちは今まで通りでいいんだよ。変える必要はないよ、夏芽」

「うん。分かったよ直生」

直生は私との噂を消したいと思っているのに、今まで通りでいようと言う。

いつも通りでいいんだよって直生に言ってもらったから私は態度を変えるつもりは無いけど、こんな噂が流れてしまって直生に迷惑が掛からないといいんだけどな。


それだけが心配だよ、直生。

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