いつも側にいてくれたね


「最後にどんな望みでも叶えてくれるの?」

『はい。どのような望みでも』

「じゃあ、生き返らせて。3人が生きていたら夏芽が自殺しようなんて思わないでしょ。だから生き返らせて」

『はい、承知しました。その望みは一番重い希望となります。そのため次にお話しする約束を受け入れるのなら、あなたの命は助けましょう』

「約束って、何?」

『夏芽さんの運命は16歳になった年までです。夏芽さんが亡くなる予定のその瞬間にあなたの命は消えてなくなります。それは夏芽さんが死を選んでも、死を選ばず生きることを選んだとしてもです』

「それは16歳の何月何日? いつなの?」

『それはお教えできません。夏芽さん自らが死を選ぶその時は16歳。それ以外はお答えできませんが、その瞬間にこの世からあなたの体は消えてなくなります。それでも望みを叶えたいですか?』

自分が消えることなんてどうってことないんだ。

夏芽さえ生きてくれたら。

夏芽さえ幸せになってくれたら。

それだけでいいんだ。

「うん、分かった。その条件で生き返りたい」

あと10年。

自分が消える瞬間に夏芽に笑っていてもらうために。

自分にできることは何でもしよう・・・。


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