いつも側にいてくれたね
別々の高校へ *夏芽*
中学3年生になった私たちはどこの高校へ進学するかを話しながら下校していた。
「私はね、直生と遥生と同じ高校に行きたい」
私は何の疑問もなく直生も遥生も同じ高校へ進学すると思っていたの。
「僕は夏芽と同じ高校へ進学するつもりだよ。夏芽はどこの高校に行きたいの?」
直生は私と同じ高校へ進学すると言ってくれた。
「そうだなぁ、家から一番近い高校がいいな。あそこなら同じ中学からたくさん進学するでしょ」
「うん、分かった。じゃあ夏芽はもう少し勉強頑張ろうね。今の成績じゃギリギリなんじゃない?」
直生も遥生も学校で成績が上位だから私だけが不合格にならないように頑張らなきゃ。
「高校に合格したら直生と遥生もテニス部に入る? また一緒にできるといいな」
私は中学時代に3人で打ち込んだテニスがまた高校生になってもできるんだってわくわくしてたの。
「ばっかだな、夏芽。高校の部活は今までの中学の部活よりも厳しいんだぞ。それに完全に男女別で練習するから一緒にはできないだろ」
遥生がふふんって笑いながら私を否定する。
「ま、俺の場合はお前たちと違う高校に入るから。部活どころかもう一緒にいられないけどな」
「えっ? 遥生、何言ってるの?」