嫌いな君の気持ちが知りたい
そして、私は後ろを振り向き、プリントをカノウに差し出した。またカノウと目が合った。カノウはニッコリとした表情をした。なぜ、私に微笑んでくるんだろう。柔らかい目つきが妙に気になる。
早くプリントを受け取ってほしいのにカノウはなかなか受け取ってくれない。だから、私は左手で軽く上下させて、カノウに催促をかけた。
「わかってるよ」とカノウは小声でそう言った。きっと私にしか聞こえていないくらい小さな声だ。カノウはようやくプリントの束を受け取った。私はそれを確認して、前を向こうとしたとき、左手に何がを握らされた。