嫌いな君の気持ちが知りたい
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「マジで不気味」とレイカが言っているのが聞こえた。私は顔を上げずに我慢して、開いている文庫に目を向け続ける。そのあと、数人の失笑が聞こえた。もちろんそれはレイカの取り巻きたちである、チヅルやマリの声だ。コイツら三人はマジで性格が悪い。
教室の真ん中の席は、私にとって、ものすごく、苦痛だ。だから、私は今日も読む気もない文庫本を開き、読書をしている振りをしている。
レイカは顔が縦長で顎が出ている。その輪郭を隠すためか、ロングで拘束違反ギリギリの茶髪で毛先は内巻にパーマがかかっている。
チヅルは出っぱのデブで、量産型のショートボブでお笑い担当みたいなことをしている。前髪を自分で切るのが下手みたいで、たまに髪型がおかっぱみたいになっている。唯一マリだけ小柄で顔も整っていて、黒髪のストレートボブがすごく似合っていた。なぜ、マリがこんなブス二人とつるんでいるのか謎だった。