嫌いな君の気持ちが知りたい

 最悪なことに私の席は教室のほぼ中央の位置になってしまった。つまり、どの場所からも私が視界に入る場所だ。座っているだけで目立っているようなものだ。今日は金曜日。席替えからちょうど一週間が経ったけど、ストレスが溜まっていく一方で毎日、早く家に帰りたいと今までよりも強く思うようになった。

「ねえ、チヅ。肩トントンしてきてよ」
「え、どういう風に?」
「こうやって――。トントンって」
「え、それやばいヤツじゃん。私。めっちゃ不審者じゃん」チヅルがそう言ったあと、また三人は超音波くらいけたたましく、下品な声で笑った。
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