窓に咲いた、小さな花火大会
今朝、電話で熱を出して花火大会に行けなくなったことを話したら不機嫌にはなっていたからなぁ。
まあ仕方ないんだけどね。
あたしの浴衣を一緒に考えてくれていたり、プランを立てていたりしていた勇輔、すごく楽しそうだったし。
そりゃあ急に熱を出したりなんかしたら、不機嫌にもなるって。
勇輔は八百屋の息子で、お店の手伝いなどをしたりしてるんだけど、今日はその休みももらって花火を見にいく予定だったのに悪いことしちゃったなぁ。
今度、お詫びにかき氷でも奢ってあげようかな。
1人ででも楽しんでくるよう言ったんだから、まあ今頃向こうにいるんだろう。
一応、窓にある花火だけでもあたしは楽しむしかない。
まだ見えないけれど、もうじきあがるだろうな。
というか、ここの部屋でなら花火は見えるとお母さんは言っていたけれど本当かな。
頭を枕に乗せながら、窓を見ているうちに瞼が重くなって、わたしはいつの間にか眠ってしまっていた。