窓に咲いた、小さな花火大会
「ゆ、ゆーすけ……?」
あれほど花火大会に行きたがっていたのに、そっちのけであたしの方に来たっていうの……?
「あ、あたし……別に1人で行ってきていいよって……言ったじゃない……!」
「んなこと言われて彼女置いて、1人で花火見にいく奴がいるかよ」
勇輔はそう言いながら、ベッドのそばに用意されてある椅子に腰掛けた。
「具合どうなの」
「微熱なのと、頭痛いくらい」
「で? なんか食ったの?」
「まあお昼に、おかゆ食べたけど」
「夜は?」
「別に。ここから動きたくないし」
あたしがそう言うと、勇輔はバッグの中をゴソゴソと探った。