拝啓、元婚約者様。婚約破棄をしてくれてありがとうございました。
グレイソンの怒り2
リュシエンヌの話を聞き、シオンに対しての怒りが収まらない。こんな姿をリュシエンヌに見せる訳にはいかない。
「リュシエンヌ、話を聞かせてくれてありがとう。今日は屋敷へ帰った方が良い。私はまだやる事があるんだ」
奴らの今後について……
「……嫌です。レイ様と居たいです」
「……困ったな」
「レイ様といます……」
そんなことを言われて断れる男はいるだろうか? いや、いない。
「少し待っていてくれるか?」
こくん。と頷くリュシエンヌ。まずはリュシエンヌの気持ちを優先させることにした。
取り敢えずレオンにあの二人を任せてあるから今頃……