拝啓、元婚約者様。婚約破棄をしてくれてありがとうございました。
……やってしまった! やってしまった事は良い。同意があっての事だ。
ただ、リュシエンヌがぐったりとしている。昼過ぎに仕事へ向かわなくては行けないのだが、このままリュシエンヌを置いていくわけにも行かない。
「……とにかく身体を清めなきゃな」
近くに控えているであろうハンナを呼び湯船の準備をさせた。何か言いたそうな顔をしているが小言は後で聞く。と言った。するとすぐに私の部屋の浴室に湯を張ってくれた。
「リュシエンヌ、まだ辛いよな……」
返事がないのでそのままリュシエンヌを抱いて浴室へ移動し湯船へ。
「伯爵家にはしばらく帰せないな」
リュシエンヌの身体のあちこちに付いている跡を目にして自分でも呆れてしまう。
「んっ、レイさま」
リュシエンヌが目覚めたようだ。
「目が覚めたのか? 昨日は無理をさせてしまった……その、身体に負担がかかってしまったよな……身体を清めてからまた休むと良い」
一緒に湯船に入っている事に驚くリュシエンヌ。
「……恥ずかしいですから見ないで」
そんな顔をされると元気になるからやめてくれ……
「……レイ様、その、お尻に何か当たって、」
濡れた身体のまま、リュシエンヌを抱えベッドへ連れ込んでしまった……それからリュシエンヌはまた気絶したようにぐったりしてしまい私は仕事へと向かった。
理性よ。そろそろ戻ってきても良いぞ。いや戻ってきてくれ……