拝啓、元婚約者様。婚約破棄をしてくれてありがとうございました。
学園に行けそうです
「長引きましたわ……」
打ちどころが悪かった。とお医者様が言いましたわ……ようやくお尻の痛みから解放されましたの。骨に異常がなかったのが幸いでした。
そろそろ学園に復帰したいですわ。とお父様に直談判しようと思っておりました。
「リュシエンヌ、話がある」
逆にお父様からお話がある。と言われましたわ。ディナーが終わりお父様の執務室へ。
「その、あれだ……調子はどうだ?」
あ、お尻の具合ですわね……お父様ったら、気を遣ってくださいましたのね。親子でも流石に恥ずかしいものですわ。
「えぇ。おかげさまでこの様に問題なく過ごせる様になりました。ご心配をおかけしました」
長い間学園をお休みしましたものね。思っていたより痛みが長引いていましたが、復活ですわ。
「そうか、それは良かった。馬車には乗れそうか?」
「? えぇ、多分大丈夫だと思うのですが……まだ試しておりません」
学園に行けるかと言うことを心配してくださっているのかしら?
「明後日、少し出掛けないか?」
お父様とお出掛け? それは嬉しいですわね!
「はい。嬉しいですわ。どこへ連れて行って下さるのですか?」
「王宮へ……今後のことをリュシーにも聞かせたいと言う方がいるんだ。お母様にもついて来て貰うから安心しなさい」
お母様もご一緒ですのね。それより王宮へ……一体なんの話なのか恐ろしいですわ。今後って何?