前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
一転び目 前世の天敵に遭遇しました
私立弥美雲学園、体育館。
窓からの陽光がカーテンのように降り注ぐ中、春の入学式が行われている。
――こっくり、こっくり……。
(志望理由は……家から一番近いから……じゃない、校風の素晴らしいこの学園で学びたいと思ったからです……むにゃむにゃ)
家族から危ぶまれた受験をどうにかこうにかクリアして、無事に晴れの日を迎えた日暮公花は、新入生席のパイプ椅子にちょこんと腰かけて、ウトウトと居眠りをこいていた。
わざとではない。最初はシュッと背筋を伸ばし、どんぐりのような瞳を希望に輝かせて臨んでいたのに――。
退屈な校長先生の長話と、幸せムード溢れるこの陽気に、綿毛のような柔な理性が勝てなかった――ただ、それだけのこと。まさしく春眠暁を覚えず、朝でなくとも一日中寝ていたい心地よさだ。
『新入生代表の挨拶。一年一組、蛇ノ目剣くん』
「はい」
キリッとした男の子の声が耳に届き、公花はふっと目を覚ました。
頭を上げ、寝ぼけ眼でふんわりと前方を眺める。
窓からの陽光がカーテンのように降り注ぐ中、春の入学式が行われている。
――こっくり、こっくり……。
(志望理由は……家から一番近いから……じゃない、校風の素晴らしいこの学園で学びたいと思ったからです……むにゃむにゃ)
家族から危ぶまれた受験をどうにかこうにかクリアして、無事に晴れの日を迎えた日暮公花は、新入生席のパイプ椅子にちょこんと腰かけて、ウトウトと居眠りをこいていた。
わざとではない。最初はシュッと背筋を伸ばし、どんぐりのような瞳を希望に輝かせて臨んでいたのに――。
退屈な校長先生の長話と、幸せムード溢れるこの陽気に、綿毛のような柔な理性が勝てなかった――ただ、それだけのこと。まさしく春眠暁を覚えず、朝でなくとも一日中寝ていたい心地よさだ。
『新入生代表の挨拶。一年一組、蛇ノ目剣くん』
「はい」
キリッとした男の子の声が耳に届き、公花はふっと目を覚ました。
頭を上げ、寝ぼけ眼でふんわりと前方を眺める。
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