前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
十三転び目 現世人間のハム子は今日も元気です
公花たちが屋敷の外に飛び出すと同時に、神殿は倒壊した。
一気にぺしゃんこになった建築物の跡を見て、基礎の大切さを思い知る。
従業員たちはすでに避難した後で、怪我人はいないらしい。
本当によかったねと満面の笑みで剣に同意を求めたのに、チクチクとした視線を向けられたのはなぜなのだろう?
「日暮……!」
「風間くん!」
あたりはすっかり日が落ちていたが、門の外には風間が待っていた。
公花の潜入に一役買った後、もしものときは突入も辞さないと、ずっと待っていてくれたらしい。
お互い無事でよかった。
けれど誘拐も監禁も、表沙汰にできるようなことではないために、ろくな説明もできぬまま口ごもっていると、剣が前に進み出てきた。
頭のいい彼のことだから、きっとうまく説明してくれることだろう。
「風間。……手間をかけたな」
「蛇ノ目。……もういいのか?」
「ああ」
しばらくの間、ふたりは睨みあうように見つめ合って。
「日暮を危険にさらしてんじゃねーよ。次はねぇから」
「わかってる。……次なんてないしな」
……。……?
それで終わり?
一言も二言も足りないような気がするけれど、それで通じてしまうの?
男の子って便利だ。
一気にぺしゃんこになった建築物の跡を見て、基礎の大切さを思い知る。
従業員たちはすでに避難した後で、怪我人はいないらしい。
本当によかったねと満面の笑みで剣に同意を求めたのに、チクチクとした視線を向けられたのはなぜなのだろう?
「日暮……!」
「風間くん!」
あたりはすっかり日が落ちていたが、門の外には風間が待っていた。
公花の潜入に一役買った後、もしものときは突入も辞さないと、ずっと待っていてくれたらしい。
お互い無事でよかった。
けれど誘拐も監禁も、表沙汰にできるようなことではないために、ろくな説明もできぬまま口ごもっていると、剣が前に進み出てきた。
頭のいい彼のことだから、きっとうまく説明してくれることだろう。
「風間。……手間をかけたな」
「蛇ノ目。……もういいのか?」
「ああ」
しばらくの間、ふたりは睨みあうように見つめ合って。
「日暮を危険にさらしてんじゃねーよ。次はねぇから」
「わかってる。……次なんてないしな」
……。……?
それで終わり?
一言も二言も足りないような気がするけれど、それで通じてしまうの?
男の子って便利だ。