前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
『地方名家の祈祷施設が倒壊――建築ミスか、宗教上のトラブルか?』
そんなタイトルでニュースを騒がせた事件も、しばらくすると下火になった。人々の興味関心の移り変わりはせわしなくて、流れ星のように現れては消えていく。
――あの事件から二週間後の、日曜の午後。
トンカントンカンと、小気味いい音が日暮家の庭に響いていた。
今日は、黒尾と樋熊が倉庫を修理しに来てくれているのだ。
もちろん剣の命令によるもので、完全無給のボランティア。
「おいクマ、そっちのトンカチ取れ」
「あい。……あ、ハムちゃんのお母さん、ありがとーございます」
「いいえ~、こちらこそ助かるわ。麦茶、ここに置くわね」
「どうもっす」
公花の友達だということにしてあるふたりに、飲み物を運ぶ桃子ママ。
黒尾も樋熊も、公花の家族とはすっかり仲良しだ。
最初、黒尾のほうは「ったく、なんで俺がー」とぶつぶつ言っていたのだが、いざ工事を始めてみると「せっかくだから機能的にすっか……非常時にはシェルターにもなるようにして」などと凝り始めて腕を振るっている。
DIYが好きらしいが、変な機能とかはいらないのだが……。
そんなタイトルでニュースを騒がせた事件も、しばらくすると下火になった。人々の興味関心の移り変わりはせわしなくて、流れ星のように現れては消えていく。
――あの事件から二週間後の、日曜の午後。
トンカントンカンと、小気味いい音が日暮家の庭に響いていた。
今日は、黒尾と樋熊が倉庫を修理しに来てくれているのだ。
もちろん剣の命令によるもので、完全無給のボランティア。
「おいクマ、そっちのトンカチ取れ」
「あい。……あ、ハムちゃんのお母さん、ありがとーございます」
「いいえ~、こちらこそ助かるわ。麦茶、ここに置くわね」
「どうもっす」
公花の友達だということにしてあるふたりに、飲み物を運ぶ桃子ママ。
黒尾も樋熊も、公花の家族とはすっかり仲良しだ。
最初、黒尾のほうは「ったく、なんで俺がー」とぶつぶつ言っていたのだが、いざ工事を始めてみると「せっかくだから機能的にすっか……非常時にはシェルターにもなるようにして」などと凝り始めて腕を振るっている。
DIYが好きらしいが、変な機能とかはいらないのだが……。