前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
 そのまま真っ直ぐゴロゴロと、大玉を乗り転がし続けて――ついに校庭の端にまで行ってしまい、目の前には緑化のため植えられた大木が!

(ぶつかる~っ!)

 ――ばいーん……!

 幹に激突し、大玉ごと弾き飛ばされた公花は、宙を舞う……。

 後頭部から地面に激突する、と思われた。

(もうダメ、ますますバカになる……)

 公花は空中を落下しながら、痛みを覚悟し、目をぎゅっとつぶったが……。

(……?)

 思ったような衝撃は訪れない。
 激突の瞬間、なぜかふわっと体が浮いて回転し、仰向けではなく直立体勢に戻って……そのままストン、と着地する。

 ――グキッ。

「あいたぁっ!」

 足裏から着地するのが想定外で、変に捻ってしまった。
 痛みを覚えて、地面に倒れ込む。

「大丈夫かー!」
 体育教師とクラスメイトが、慌てて駆けつけてくる。

「ハム子、お前マジで勘弁しろよ……」
「大丈夫? 足首がどんどん腫れてきてる……!」

(皆、優しい……)

「日暮、もういいから、すぐ保健室に行ってこい」
 体育教師から、中座を命じられた。

 よくわからないミラクル着地は、器用な技だと片づけられて。

 公花は授業を抜け、保健室へ行くことになった。
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