前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
目を閉じて無視していると、いつの間にか小さな気配は姿を消した。
(どこかへ行ったか……)
興味をなくして立ち去ったものと思っていたら、しばらくすると、そいつは身の丈以上もある木の棒を引きずって戻ってきた。
(なんだ、なにをする気だ?)
檻には鋼の蓋ががっちりと下りているのだが、どうやらその蓋の下の隙間に、木の棒を差し込もうとしているらしい。
無理だろうと思って様子を見ていると、団子は「うーん」と頭を捻り、今度は木の棒の先を齧って削り、杭のように尖らせた。そして、また檻への差し込み作業を始める。
グイグイ、グイッ。
杭の先がわずかにはまった……ような気がする。
思わず、重たい顎を上げて様子を見守った。
だが、それ以上、杭を打ち込むには力が足りないようだ。
それでも団子はめげずに棒の反対側を押したり角度を変えたり体当たりしたりを繰り返す。
やがて尖った部分が鉄柵の下に十分に差し込まれたのを見て、そいつは鼻息を荒くした。
「よーし、いっくぞー」
なにをだ。
「蓋が開いたら、飛び出してね! じゃあ、いくよ!」
だからなにを……。
(どこかへ行ったか……)
興味をなくして立ち去ったものと思っていたら、しばらくすると、そいつは身の丈以上もある木の棒を引きずって戻ってきた。
(なんだ、なにをする気だ?)
檻には鋼の蓋ががっちりと下りているのだが、どうやらその蓋の下の隙間に、木の棒を差し込もうとしているらしい。
無理だろうと思って様子を見ていると、団子は「うーん」と頭を捻り、今度は木の棒の先を齧って削り、杭のように尖らせた。そして、また檻への差し込み作業を始める。
グイグイ、グイッ。
杭の先がわずかにはまった……ような気がする。
思わず、重たい顎を上げて様子を見守った。
だが、それ以上、杭を打ち込むには力が足りないようだ。
それでも団子はめげずに棒の反対側を押したり角度を変えたり体当たりしたりを繰り返す。
やがて尖った部分が鉄柵の下に十分に差し込まれたのを見て、そいつは鼻息を荒くした。
「よーし、いっくぞー」
なにをだ。
「蓋が開いたら、飛び出してね! じゃあ、いくよ!」
だからなにを……。