前世ハムスターのハム子は藪をつついて蛇を出す
「蛇ノ目くんにもお礼を言っておけよ? それと、引き続きよろしくと」
「はいっ、承知仕りました!」
言葉遣いがおかしいのは、ついさっき古文の授業を終えたばかりだから。
けれどこれも聞きとりと暗記のコツが掴めてきた成果で、勉強の効率が上がっていることは、まず間違いない。
学力の躍進が剣の的確な指導のおかげだということは、公花自身も、重々理解している。
ものすごーく感謝しているし、この達成感を早く彼にも伝えて、一緒に喜んでほしかった。
お昼休みの時間になったので早速、剣のクラスを覗いてみたが、ちょうど彼は所用で教室を出ていったと。学級委員の仕事で、職員室に向かったという。
(職員室方面に行けば会えるかな?)
タンタンと足音軽く、教務棟に向かって歩いていくと、渡り廊下に差しかかったところで、誰かに後ろから呼び止められた。
「おい、ちょっと……ちょっとそこの、ちんまいの。待てって」
「? 私のこと?」
公花は足を止めて、振り返った。相手の顔を見て、ぴゃっと竦みあがる。
生徒なのに髪の色が金髪。そして浅黒い肌に少し強面の、なんだかいけない雰囲気の男の子だ。
「なっ、なにか私に御用ですか?」
彼は鷹のような鋭い目をしていて、それも公花の警戒心を刺激していた。前世ハムスターの公花は、肉食の猛獣に繋がるものは、やっぱり苦手なのだ。
「話がある。少し顔かしてくれ」
「はいっ、承知仕りました!」
言葉遣いがおかしいのは、ついさっき古文の授業を終えたばかりだから。
けれどこれも聞きとりと暗記のコツが掴めてきた成果で、勉強の効率が上がっていることは、まず間違いない。
学力の躍進が剣の的確な指導のおかげだということは、公花自身も、重々理解している。
ものすごーく感謝しているし、この達成感を早く彼にも伝えて、一緒に喜んでほしかった。
お昼休みの時間になったので早速、剣のクラスを覗いてみたが、ちょうど彼は所用で教室を出ていったと。学級委員の仕事で、職員室に向かったという。
(職員室方面に行けば会えるかな?)
タンタンと足音軽く、教務棟に向かって歩いていくと、渡り廊下に差しかかったところで、誰かに後ろから呼び止められた。
「おい、ちょっと……ちょっとそこの、ちんまいの。待てって」
「? 私のこと?」
公花は足を止めて、振り返った。相手の顔を見て、ぴゃっと竦みあがる。
生徒なのに髪の色が金髪。そして浅黒い肌に少し強面の、なんだかいけない雰囲気の男の子だ。
「なっ、なにか私に御用ですか?」
彼は鷹のような鋭い目をしていて、それも公花の警戒心を刺激していた。前世ハムスターの公花は、肉食の猛獣に繋がるものは、やっぱり苦手なのだ。
「話がある。少し顔かしてくれ」